腹部レントゲンの読影 -読影の大枠-

doctor 犬猫 獣医向け

2019.12.9

はじめに

読影範囲が広い腹部レントゲンに関して、読影の手順を参考までに。

各臓器が存在する位置を大まかに図で補足します。

赤で塗りつぶした範囲が、各臓器が見れる範囲です。

読影の順序

読影を行う際は椎骨をランドマークにVD、ラテラルを比較する。

腹部の大枠を観察

腹腔全体を大まかに見る

骨格を評価

脊椎

肋骨

骨盤

見れる範囲で胸腔を評価

横隔膜を評価

腹腔臓器の辺縁の陰影を確認

Ddx)

・脂肪

・腹水

・炎症

腹部臓器を細かく読影

腹腔

肝臓

肝臓の大きさは胃軸の変位で評価(主観的評価)

門脈・大静脈・大動脈は単純レントゲンで観察できない

右葉

liverGalbladderVD

左葉

liverLeftLat
gastroVD

尾状葉

liverTailLat
胆嚢

胆嚢・胆管は単純レントゲンで観察できない

liverGalbladderVD
脾臓
spleenLat
spleenVD
腸間膜リンパ節
spleenLat
kidneyLeftVD

後腹膜腔

腎臓

腎臓の標準サイズ

犬:L2の2.5-3.5倍程度

猫:

未Spay or 未Cast L2の2-3倍程度 

Spay済 or Cast済 L2の2-2.5倍程度

左腎

smallIntestineLateral
kidneyLeftVD

右腎

ラテラル像では頭側が観察困難な場合が多い

VD像は観察不能な場合がある

liverTailLat

副腎

左副腎

liverTailLat
gastroVD

右副腎

liverTailLat
内腸骨リンパ節
colonLat
lymVD

尿管

通常、尿管は単純レントゲンでは確認できない

colonLat

膀胱

bladderLat
lymVD

子宮

spayLat
spayVD

前立腺

bladderLat
lymVD

消化管

噴門部

liverTailLat
gastroVD

体部

liverGalbladderVD

幽門部

liverLeftLat
liverGalbladderLat
膵臓
pancreaLat
pancreVD
小腸
smallIntestineLateral
kidneyLeftVD

大腸
colonLat

lymVD

参考文献

Textbook of Veterinary Diagnostic Radiology, 4th Edition

伴侶動物画像診断 No.1

伴侶動物画像診断 No.2

伴侶動物画像診断 No.4

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